目次
1. 土壌が汚染されているのかを「調査」するケースが多くなってます
「土壌汚染」といえば、東京都江東区の「豊洲新市場」の土壌汚染問題で、一躍有名な言葉になりましたよね。
土壌汚染については、2003年に「土壌汚染対策法」が施行されてから、不動産に関わる土地の売買において、土壌が汚染されているのかを「調査」するケースが多くなっているのです。
その土壌汚染に伴う調査には「自主調査」があるのはご存知でしょうか?
言葉のニュアンス的に、違いは何となくイメージできるかと思いますが、どういったケースでそれぞれの調査を行うのか、具体的なことが分からない方もいるではないでしょうか?
そこで今回は、そもそも土壌汚染とは何なのか?簡単に説明し、土壌汚染に伴う「義務調査」と「自主調査」の違いや、汚染が発見されたときの対応についてお話ししていきます。
土壌汚染とは言葉のイメージ通り、土壌に有害な物質(有機溶剤・重金属・油・農薬など)が浸透して汚染された状態を指し、人の健康や生活に害を及ぼす危険があります。
冒頭でご紹介した「豊洲新市場」の場合、元はガス会社の関連施設が建っていた場所になり、土壌から「鉛・ヒ素・六価クロム・シアン・水銀・ベンゼン」の、6種類の有害物質が検出されています。
2. 土壌が汚染される主な原因
土壌汚染が起こる原因として、上記の場合のように、有害物質を取り扱う会社の関連施設が大きく関係してきます。
具体的に説明すると、大きく以下の原因が主にあります。
土壌汚染の主な原因
・原因➀ 有害物質を取り扱う施設からの排水および漏水
・原因➁ 有害物質を含む廃棄物の埋設(雨や地下水で有害物質が土壌に溶けだす)
土壌が汚染される原因は、有害物質を取り扱う施設が大きく関係しますが、そのような施設がない土地でも自然状態で基準値を超過するケースもあります。
3.土壌汚染対策法で定められた特定有害物質は六価クロムなど26物質
土壌汚染の原因となる有害物質について、土壌汚染対策法の中で「特定有害物質」として、第一種~第三種の3種類に分類されています。
豊洲新市場で検出されたヒ素や六価クロムなど、6種類の有害物質を含めて、26種類の有害物質が特定有害物質として指定されているのです。ここでは、有害物質の26種類の名称をご紹介します。
土壌汚染対策法で定められた特定有害物質
◇第一種特定有害物質:揮発性有機化合物 12種類
・クロロエチレン
・四塩化炭素
・1,2-ジクロロエタン
・1,1-ジクロロエチレン
・1,2-ジクロロエチレン
・1,3-ジクロロプロペン
・ジクロロメタン
・テトラクロロエチレン
・1,1,1-トリクロロエタン
・1,1,2-トリクロロエタン
・トリクロロエチレン
・ベンゼン
◇第二種特定有害物質:重金属など 9種類
・カドミウムおよびその化合物
・六価クロム化合物
・シアン化合物
・水銀およびその化合物
・セレンおよびその化合物
・鉛およびその化合物
・砒素およびその化合物
・ふっ素及びその化合物
・ほう素及びその化合物
◇第三種特定有害物質:農薬など 5種類
・シマジン
・チオベンカルブ
・チウラム
・PCB(ポリ塩化ビフェニル)
・有機りん化合物
土壌汚染は、上記の26種類のいずれかあるいは複数の有害物質が、土壌に浸透もしくは混入した状態を指し、人の健康的な生活に、大きな悪影響を与える危険があるのです。
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