近年、愛知県に限った話ではありませんが、全国的に土地の売買時の土壌汚染をめぐるトラブルが増加傾向にあり、売却前の土壌汚染対策が求められています。
その土壌汚染対策を検討する際、大きくは国が定める「土壌汚染対策法」に従って進めなければなりませんが、都道府県等地方自治体でもそれぞれの地域に即した「条例」を定めているところがあります。
そのため、愛知県でも土壌汚染対策を検討するときは、土壌汚染対策法以外にも愛知県が定める条例、名古屋市他が定める条例をしっかり把握し従わなければなりません。
そこでこの記事では、これから愛知県(名古屋市等条例を定めている市を除く)で土壌汚染対策を検討するという方に、愛知県が定める土壌汚染に関連した条例を分かりやすくご紹介していきましょう。
目次
1. 各地方自治体の条例について
そもそも土壌汚染とは、有機溶剤や重金属、油などの有害な物質が土に浸透もしくは混入している状態を指し、人の健康や生活に悪影響を与える危険があります。
近年、土地の売買に伴って土壌汚染対策を実施するケースが増えていますが、対策を実施する際は、環境省が定める「土壌汚染対策法」に則って調査及び報告、対策工事を実施しなければなりません。それと同時に、土壌汚染対策法以外にも各都道府県等地方自治体が定める「条例」による規定を把握して、実施に合わせて従う必要があります。
2. 愛知県が定める条例とは
各都道府県等地方自治体では独自の条例による規定を定めているところがありますが、愛知県では「県民の生活環境の保全等に関する条例」で土壌汚染および地下水汚染に関する規定が定められています。
3.土壌および地下水の汚染防止に関する規定の趣旨
土壌汚染対策法は、土壌汚染対策の実施を図ることにより、特定有害物質による土壌汚染から、人の健康を保護することを目的として定められています。
愛知県が「県民の生活環境の保全等に関する条例」での規定も同様に、県民の健康や生活環境に影響を与える危険がある土壌汚染・地下水汚染の未然防止を目的に定められ、施設の点検の努力義務、特定有害物質等取扱事業所における調査義務、汚染判明時の拡散防止に関する措置、土地の形質の変更時の調査義務等について規定されています。
土壌汚染・地下水汚染の原因となる特定有害物質および、その特定有害物質が人体に与える影響については、「特定有害物質が人体に与える影響とは?摂取ルートと健康被害一覧」こちらで紹介しているので、気になる方は合わせてご覧ください。
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