コラム

土壌汚染に伴う自主調査と義務調査とは?実施が求められる条件など解説

2020.5.15

75 views

「土壌汚染」といえば、東京都江東区の「豊洲新市場」の土壌汚染問題で、一躍有名な言葉になりましたよね。

土壌汚染については、2003年に「土壌汚染対策法」が施行されてから、不動産に関わる土地の売買において、土壌が汚染されているのかを「調査」するケースが多くなっているのです。

その土壌汚染に伴う調査には「自主調査」があるのはご存知でしょうか?

言葉のニュアンス的に、違いは何となくイメージできるかと思いますが、どういったケースでそれぞれの調査を行うのか、具体的なことが分からない方もいるではないでしょうか?

そこで今回は、そもそも土壌汚染とは何なのか?簡単に説明し、土壌汚染に伴う「義務調査」と「自主調査」の違いや、汚染が発見されたときの対応についてお話ししていきます。

目次

  1. 1. 土壌汚染とは?有害物質で土壌が汚染された状態のこと

  2. 2. 土壌汚染の義務調査と自主調査の違い!

  3. 3. 最後に土壌汚染調査について

1. 土壌汚染とは?有害物質で土壌が汚染された状態のこと

土壌汚染とは言葉のイメージ通り、土壌に有害な物質(有機溶剤・重金属・油・農薬など)が浸透して汚染された状態を指し、人の健康や生活に害を及ぼす危険があります。

冒頭でご紹介した「豊洲新市場」の場合、元はガス会社の関連施設が建っていた場所になり、土壌から「鉛・ヒ素・六価クロム・シアン・水銀・ベンゼン」の、6種類の有害物質が検出されています。

1-1. 土壌が汚染される主な原因

土壌汚染が起こる原因として、上記の場合のように、有害物質を取り扱う会社の関連施設が大きく関係してきます。

具体的に説明すると、大きく以下の原因が主に挙げられます。

土壌汚染の主な原因

・原因➀ 有害物質を取り扱う施設からの排水および漏水

・原因➁ 有害物質を含む廃棄物の埋設(雨や地下水で有害物質が土壌に溶けだす)

土壌が汚染される原因は、有害物質を取り扱う施設が大きく関係しますが、そのような施設がない土地でも自然状態で基準値を超過するケースもあります。

1-2. 土壌汚染対策法で定められた特定有害物質は六価クロムなど26物質

土壌汚染の原因となる有害物質について、土壌汚染対策法の中で「特定有害物質」として、第一種~第三種の3種類に分類されています。

豊洲新市場で検出されたヒ素や六価クロムなど、6種類の有害物質を含めて、26種類の有害物質が特定有害物質として指定されているのです。ここでは、有害物質の26種類の名称をご紹介します。

土壌汚染対策法で定められた特定有害物質

◇第一種特定有害物質:揮発性有機化合物 12種類

・クロロエチレン

・四塩化炭素

・1,2-ジクロロエタン

・1,1-ジクロロエチレン

・1,2-ジクロロエチレン

・1,3-ジクロロプロペン

・ジクロロメタン

・テトラクロロエチレン

・1,1,1-トリクロロエタン

・1,1,2-トリクロロエタン

・トリクロロエチレン

・ベンゼン

◇第二種特定有害物質:重金属など 9種類

・カドミウムおよびその化合物

・六価クロム化合物

・シアン化合物

・水銀およびその化合物

・セレンおよびその化合物

・鉛およびその化合物

・砒素およびその化合物

・ふっ素及びその化合物

・ほう素及びその化合物

◇第三種特定有害物質:農薬など 5種類

・シマジン

・チオベンカルブ

・チウラム

・PCB(ポリ塩化ビフェニル)

・有機りん化合物

土壌汚染は、上記の26種類のいずれかあるいは複数の有害物質が、土壌に浸透もしくは混入した状態を指し、人の健康的な生活に、大きな悪影響を与える危険があるのです。

2. 土壌汚染の義務づけられた調査と自主調査の違い!

冒頭で、不動産に関わる土地の売買などにおいて、土壌が汚染されているのか「調査」するケースが多くなっていると説明しましたが、正確には「土壌汚染状況調査」を実施することになります。

その土壌汚染状況調査には大きく、調査が義務付けられた調査と、土地の所有者が自主的に調査を行う2種類の調査があります。

そこでこの項では、それぞれ2種類の調査の違いや、汚染が発見されたときの対応についてお話ししていきます。

2-1. 土壌汚染の調査義務が発生する条件

義務調査は、土壌汚染状況調査を義務的に行う調査ですが、以下の条件に該当する場合に限ります。

調査義務が発生する条件

(1)使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の土地であった土地の調査(法第3条)
使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者等は、当該土地の土壌汚染の状態を指定調査機関に調査させて、 その結果を都道府県知事に報告しなければならない。

ただし、土地利用の方法からみて人の健康被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときを除く。

(2)土壌汚染のおそれがある土地の形質の変更が行われる場合の調査(法第4条)
一定規模(3000m2)以上の土地の掘削等の土地の形質の変更を行おうとするものは、形質の変更に着手する30日前までに、一定規模以上の土地の形質の変更届出書を都道府県知事に届け出なければならない。

都道府県知事は、届出を受けた場合において、当該土地が特定有害物質に汚染されているおそれがあると認めるときは、土地の所有者等に対して、当該土地の土壌汚染の状態を指定調査機関に調査させて、 その結果を都道府県知事に報告すべきことを命ずることができる。

(3)土壌汚染による健康被害のおそれのある土地の調査(法第5条)
都道府県知事は、土壌汚染により人の健康被害が生ずるおそれがある土地と認めるときは、当該土地の土壌汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関に調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる。

➀の「特定施設」とは、水質汚濁防止法により、設置の届出と排水規制が必要な施設として指定された施設を指し、前項でご紹介した、26種類の特定有害物質を取り扱う施設が該当します。

2-2. 土壌汚染に伴う「自主調査」とは?実施する目的と報告義務

上記は、国や都道府県知事が、土壌汚染状況調査の必要性を認めたときの義務的な調査ですが、自主調査は文字通り、土地の所有者、もしくは購入者が自主的に行う土壌汚染状況調査になります。

自主調査を実施する目的は様々ですが、主に土地の売買に関係した理由が挙げられます。

自主調査を実施する主な目的

・土地を売りたいor買いたい

・工場があった土地を売りたいor買いたい

・特定施設が設置されていた土地を、売りたいor買いたい

・所有している土地を担保に、金融機関などから融資を受けたい

・土地がいくらで売れるのか、資産価値を把握したい

以上のように、土壌汚染に関係した自主調査は、土地の売買に伴って、土地の価値を把握するために実施されていますが、調査にあたっては、目的に応じた調査計画が求められます。

また自主調査に関しては、義務による調査のように調査結果を、土壌汚染対策法では、都道府県知事に報告する義務はありません(ただし、自治体により義務を課している場合があります)。

2-2-1. 自主調査で土壌の汚染が見つかったときの対応

自主調査を行って土壌汚染が見つかった場合、どう対応すればいいのか?について、法的な届出義務はありません。

ただし、土地の所有者は自主的に、調査結果を都道府県知事に申請することができます。

土壌の汚染が明らかになったときは、都道府県知事に申請すると、汚染の状態によって以下のいずれかの区域に指定されます。

以上が、土壌汚染に伴う義務による調査と自主調査の説明になりますが、実際に行われている土壌汚染状況調査の8割以上は自主調査になります。

3. まとめ

土壌汚染といえば、東京都の豊洲新市場の移転問題で注目を集めましたが、全国各地で土壌汚染に伴う問題は数多く発生しています。

近年は、不動産に関わる土地の売買に伴って、土壌が汚染しているのか、土壌汚染状況調査を実施するケースが多くなっています。

先程も説明した通り、8割以上は自主調査が行われていますが、土地の条件によっては、調査が義務付けられた調査を実施しなければならないので、地歴調査の実施がお勧めです。

基本的に、土壌汚染は見た目では判断できないため、汚染されているか心配なときは、まず太平産業株式会社にご相談ください。

お問い合わせはこちら

メールでのお問い合わせは24時間受付中!!

問い合わせする

お電話からのお問い合わせはこちら

052-223-2300

受付時間 9:00〜17:00(平日)

Copyright © osendo.net All Rights Reserved.