目次
1.土地の売買・不動産投資において重大なトラブルについて
土壌汚染は、目に見えにくい問題です。
しかし目に見えないからといって、その存在を無視するのは危険です。
土壌汚染が原因で、土地の売買・不動産投資において重大なトラブルが発生するリスクは、決して低くはないのです。
具体的なトラブル事例は、以下のとおりです。
・土地売買契約後に土壌汚染が発覚して、契約破棄になった
・土地を売った後に、高額な土壌汚染調査費用を請求された
・不動産投資をしようと物件を購入したら、特定有害物質が検出され、価値が下がり損失を出した。
土壌汚染に関するトラブルは、金銭面だけではなくその土地のイメージにも関わってきます。
特に新たな土地を購入して、事業活動に活かしたいと考える企業にとって、土壌汚染に関するトラブルは非常に重要な意味を持ちます。
不動産取引には土壌汚染リスクがセットであることを心得て、売主になるときも買主になるときも、しっかりと準備をすることが大切です。
2.土壌汚染トラブルを回避するためのポイント:土壌汚染の事前調査
では土壌汚染トラブルを回避するためには、どうすれば良いのでしょうか。知っておきたいポイントを2つ紹介します。
土壌汚染の事前調査を行うこと
土壌汚染のトラブルを避けるための最大のポイントは、事前調査にあります。目に見えない土壌に関する情報を目で見える形で示し、解説してもらえるのが調査を行うメリットです。
【売主側が事前調査を行うメリット】
・売買契約後のトラブルを避けられる
・買主側へ説明する際に、客観的な情報を提示できる
【買主側が事前調査を行うメリット】
・契約前に土壌汚染に関する情報をチェックできることで、トラブル予防につながる
・土地購入後の責任の所在について、もめごとにならない
土壌汚染の事前調査を行うメリットは、売主・買主の両方に発生するものですが、買主の立場で購入予定の土地の事前調査を自由に行うことはできません。
契約前の土地所有権は、売主側にあるからです。
買主の立場で「購入前に事前調査を行いたい」と思ったときには、その旨や理由を売主側に伝え、その希望を受け入れてもらう必要があります。
トラブル回避のために、積極的に事前調査を行う企業も増えてはいますが、調査をしないところも存在しています。
契約内容をしっかりとチェックした上で、適切な行動をとることが大切です。
3.土壌汚染トラブルを回避するためのポイント:説明義務を果たすこと
特定有害物質によって土壌汚染が発生していたとしても、法律でその取引が制限されるわけではありません。
土壌汚染のトラブルは、「その事実を知らせないまま・知らされないまま取引を行う」ことによって、生じるケースがほとんどです。
土壌汚染の事実がすでに分かっている場合や、その可能性が高いと考えられる場合には、売主の立場で、その事実を買主へと伝える義務を負うことになります。
きちんとした形で情報を伝え、双方が合意の上で手続きを進めていけば、契約無効や損害賠償請求といったトラブルに発展する可能性は少なくなります。
土壌汚染はその土地の瑕疵に当たるということを踏まえて、適切な対策を取っておきましょう。
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