土壌汚染は、工場などから排出された有害な物質が、人の健康や自然や生態系などの環境にも悪影響を及ぼす恐れがある状態を指し、一般的に「環境リスク」と呼ばれるものの一つです 。
そこで、「土壌汚染によって、人の健康や生態系などの環境にどれくらい影響があるのか?」と、土壌汚染と環境汚染の関係性や人体への影響が気になる方もいるのではないでしょうか?
ここからは、土壌汚染の原因物質などを説明した後、土壌汚染(環境リスク)の考え方と、土壌汚染対策法による管理方法についてお話ししていきましょう!
目次
1. 土壌汚染とは?
土壌汚染は言葉の通り、土壌が汚染されている状態をいいます。
具体的には、土に有害物質(有機溶剤・重金属・油・農薬など)が浸透もしくは混入している状態が土壌汚染になり、放置していれば人の健康や生活に悪影響を与える危険があります。
その理由として、土がいったん有害物質で汚染されると土の中に蓄積され、有害物質の排出がなくなっても汚染された状態が長い間続くという特徴があるからです。
また、土壌汚染は基本的に土の中の現象なので目には見えません。
そのため、汚染されているのか気付きにくい点も人の健康を脅かす要因と考えられます。
2. 土壌汚染の主な原因は何?
土壌汚染を引き起こす主な原因として、有害物質を取り扱う事業者からの排水および漏水、または有害物質を含む廃棄物を土壌に埋設することで発生します。
その土壌汚染の原因となる有害物質は、土壌汚染対策法の中で「特定有害物質」として指定され、26の物質が第一種~第三種までの3種類に分類されています。
3. 土壌汚染対策法で定められた特定有害物質
・第一種特定有害物質:揮発性有機化合物 12種類
・第二種特定有害物質:重金属など 9種類
・第三種特定有害物質:農薬など 5種類
詳しい物質名とその物質が引き起こす環境リスクについては 「特定有害物質が人体に与える影響とは?摂取ルートと健康被害一覧」こちらで詳しく紹介しています。
数年前、大きな問題になっていた「豊洲新市場への移転」の土壌汚染問題では、第一種特定有害物質の「ベンゼン」と、第二種特定有害物質の「鉛・砒素・六価クロム・シアン化合物・水銀・ベンゼン」の6種類の有害物質が検出されています。
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