コラム

特定施設とは?土壌汚染対策法との関係性について

2020.8.2

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土壌汚染対策に伴う「特定施設」という言葉は知っていますか?

特定施設は「有害物質使用特定施設」とも呼ばれていて、水質汚濁防止法に基づいて、施設を設置する際は自治体に届出なければなりません。そして、その施設を廃止するときは土壌汚染対策法の第3条に基づいて、土壌汚染調査の実施および報告が義務付けられています。

しかし、色々な法律が関係しているので、どんな施設なのかよく分からないという方も多いのでは…?

ということで、ここからは特定施設とは何かについて詳しくお話ししていきます。

目次

  1. 1. 「有害物質使用特定施設」とは

  2. 2. 水質汚濁防止法と下水道法で定められている特定施設とは

  3. 3. 特定有害物質を使用する特定施設は廃止するとき調査が必要

1. 「有害物質使用特定施設」とは

特定施設は「有害物質特定施設」とも呼ばれていて、主に以下の2つの施設があります。

有害物質特定施設とは

排水の水質規制が必要な施設として、水質汚濁法第二条2項によって特別に指定された施設

➁土壌汚染対策法が指定する特定有害物質を製造・使用または処理する施設

簡単には、排出する水を排水基準まで処理する施設が「特定施設」となります。

事業規模の大小に関わらず水質汚濁防止法第二条2項に従って、特定有害物質を製造・使用する事業者は、排水の水質規制が必要な施設として、特定施設を設置して各都道府県知事宛に設置の届出が義務化されています。

2. 水質汚濁防止法と下水道法で定められている特定施設とは

水質汚濁防止法は公共用水域の水質汚染を防止するための法律ですが、汚水された水を排出する事業者に対して、公共用水域として排出する水の排水基準を全国一律で定めています。

その水質汚濁防止法第二条2項では、「特定施設」とは?について以下のように示されています。

水質汚濁防止法 第二条

2 この法律において「特定施設」とは、次の各号のいずれかの要件を備える汚水又は廃液を排出する施設で政令で定めるものをいう。

一 カドミウムその他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定める物質(以下「有害物質」という。)を含むこと。

二 化学的酸素要求量その他の水の汚染状態(熱によるものを含み、前号に規定する物質によるものを除く。)を示す項目として政令で定める項目に関し、生活環境に係る被害を生ずるおそれがある程度のものであること。

(引用:e-Gov|水質汚濁防止法[U1] )』

この水質汚濁防止法第二条2項で定める施設として、実に様々な分野の業種に対して特定施設が指定されています。

その施設は『特定施設一覧(水質汚濁防止法施行令(抜粋))[U2] 』で公開されているので、どんな施設が指定されているのか確認したい方は一度閲覧してみては?

3. 特定有害物質を使用する特定施設は廃止するとき調査が必要

特定施設とは上記の水質汚濁防止法第二条2項で規定する施設が特定施設であり、かつ特定有害物質を使用・製造または処理する施設のことをいい、特定有害物質を製造・使用する事業者は、特定施設を設置して都道府県知事に設置届を提出する必要があります。

そして、特定有害物質を使用・処理する特定施設を廃止するとき、土地所有者は土壌汚染対策法第三条に基づいて、「特定施設の使用廃止・変更届」を都道府県知事に提出したのち、土壌汚染調査を実施しなければなりません。その土壌汚染対策法第三条の条文は以下の通りです。

土壌汚染対策法 第三条 

使用が廃止された有害物質使用特定施設(水質汚濁防止法(昭和四十五年法律第百三十八号)第二条第二項に規定する特定施設(第三項において単に「特定施設」という。)であって、同条第二項第一号に規定する物質(特定有害物質であるものに限る。)をその施設において製造し、使用し、又は処理するものをいう。以下同じ。)に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者、管理者又は占有者(以下「所有者等」という。)であって、当該有害物質使用特定施設を設置していたもの又は第三項の規定により都道府県知事から通知を受けたものは、環境省令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、環境大臣又は都道府県知事が指定する者に環境省令で定める方法により調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない。(以下省略) 

 (引用:e-Gov|土壌汚染対策法[U3] )』

このように、使用が廃止された有害物質使用特定施設にかかわる工場・事業所の土地所有者は、土壌の汚染状況を調査しないといけないですが、その調査は環境大臣が指定する「指定調査機関」に依頼しないといけません。

言い換えれば、それ以外の業者に調査を依頼しても法的に認められないということなのですよ!

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